第3話
【やきもの制作工程】
恒平が言っていた「ろくろ作業が増えて龍生くんの負担が増える」。
やきものの制作工程は以下のとおり工数が多く、一論差しを2パターン作るとなると龍生の作業もかなり多くなります。青子が「どうせ嫌がられる」と思うのも、龍生に「いいですよ」と言われて驚くのも納得です。
成形・・・ろくろや鋳型などで土からやきものの形にする
削り・・・厚さを均等にしたり、形を整えるために余分な粘土を削る。力加減を間違うと穴が開いたり破れたりする繊細な作業。
乾燥・・・成形したものは水分を多く含むので、よく乾燥させる。乾燥が不十分だと焼き上げた時に気泡ができたり破裂したりする。
水拭き・・・成形時にヒビなどが入っている箇所や削り後に凹凸がある部分を、水を含ませたスポンジで撫でることでなめらかにする作業。
素焼き・・・土に含まれる不純物を燃やし、水分量をより減らすために一度窯に入れ、本焼きより低い温度で焼きます。素焼きをすると水分が蒸発するので、絵付けの絵具や釉薬が乗りやすくなります。植木鉢など表面がザラザラして水分をよく吸収するものは素焼きされた状態です。
下絵付け・・・素焼きの生地に絵具を使って模様を入れます。下絵付けには本焼きの温度にも耐えられる呉須(ごす)という藍色の絵具を使います。
釉薬かけ・・・生地に水や汚れが染み込むことを防ぎ、丈夫にすることやさまざまな色・質感を表現するために釉薬(うわぐすりとも言う)をかけます。薄すぎ、厚すぎにならないよう技術が必要な工程です。
本焼き(焼成)・・・釉薬をかけた作品を窯に入れ、1200~1300℃で焼きます。
上絵付け・・・焼成したものに絵具で模様を入れます。呉須以外の絵具は本焼きの温度に耐えられず、液状になってしまう可能性があるので、本焼きした後、絵付けをして素焼きくらいの温度で焼き付けます。
【ろくろ監修】
龍生がろくろで一輪挿しを作るシーン、まさに「魔法ばかけとる」みたいで格好良かったですね。撮影の際は波佐見焼の伝統工芸士(太田祐子さん)が俳優の指導、監修に協力されたそうです。龍生役の一ノ瀬颯さんの呑み込みが早いということで、現場での限られた時間の中で、手の水のつけ方、骨盤を立てて姿勢よく、上から覗いて、土に添える手の形、指の腹の使い方など細部に至る指導監修が行われたそうです。こうした本格的なこだわりが格好いいシーンになっているんですね。
分業体制による量産という特徴を持つ波佐見焼ですが、一方、伝統工芸士として、いろんな部門で優れた技術を持つ方も数多くいらっしゃり、今回の撮影にも伝統工芸士の方々の協力は欠かせないものだったそうです。
【登場ロケ地まとめ】
工房あかり
(外部リンク):光容窯絵付け場、釉掛け場、ろくろ作業場
・山神社(陶山神社)波佐見町中尾郷615-1